口唇裂口蓋裂を有する矯正患者に関する10年間の統計的観察

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  • Statistical Observations of Cleft Lip and / or Palate Patients in the Orthodontic Clinic, Osaka Dental University during the Past 10 Years from April 1982 to March 1991

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抄録

大阪歯科大学附属病院矯正歯科における口唇裂口蓋裂患者の実態を把握する目的で,矯正歯科治療に健康保険制度が導入された1982年4刀より1992年3月までの10年間に,当科を受診した口唇裂口蓋裂患者338名について統計的観察を行い,以下の結果を得た.<BR>1.10年間に当科を受診した総患者3,817名中,口唇裂口蓋裂患者は8.9%を占めていた.<BR>2.居住地域は大阪府(72.4%)を中心とする近畿地方に集中していた.<BR>3.男女比はほぼ1:1で,ほとんど差はみられなかった.<BR>4.初診時年齢は5歳から14歳の範囲に75.1%が含まれていた.<BR>5.初診時歯牙年齢はIIIBが44.4%で最も多く,次いでlvAの18.3%,IIICの13.9%の順であった.<BR>6.紹介元の医療機関は一般歯科医院(55.0%)が最も多かった.<BR>7.裂型別頻度は,片側性口唇口蓋裂が56.2%,両側性口唇口蓋裂が20.4%,片側性口唇裂が11.3%,口蓋i裂単独が10.9%,両側性口唇裂がO.9%,正中口唇裂が0.3%であった.<BR>8.裂型別上顎歯槽弓形態は,片側性口唇口蓋裂および片側性口唇裂ではbutt-joint型(81.1%)が圧倒的に多く,両側性口唇口蓋裂および両側性口唇裂では切粛骨突出型(68.1%),butt-joint型(22.3%),切歯骨の存在しない型(8.3%)(人為的除去か先天的欠損かは不明)の順であった.<BR>9.咬合異常の状態は,重複集計で行った統計では叢生(74.9%)が最も多く,次いで下顎前突(55.9%),交叉咬合(51.4%)の順であった.<BR>10.母親の出産時年齢は平均27.9歳であった.<BR>11.同胞数と出生順位については,第1子(49.4%)が最も多く,一人子を含む末子(60.4%)で多かった.

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