髄液中に白血病細胞が検出された急性骨髄単球性白血病の1例

DOI
  • 大城 雄介
    独立行政法人国立国際医療研究センター病院中央検査部門
  • 手塚 俊介
    独立行政法人国立国際医療研究センター病院中央検査部門
  • 花井 亜莉沙
    独立行政法人国立国際医療研究センター病院中央検査部門
  • 土橋 悦子
    独立行政法人国立国際医療研究センター病院中央検査部門
  • 長谷川 達朗
    独立行政法人国立国際医療研究センター病院中央検査部門
  • 土井 誠一
    独立行政法人国立国際医療研究センター病院中央検査部門
  • 宮崎 澄夫
    独立行政法人国立国際医療研究センター病院中央検査部門

書誌事項

タイトル別名
  • Case study: Finding leukemia cells in cerebrospinal fluid in patient with acute myelomonocytic leukemia

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抄録

患者は咳嗽,発熱,頭痛,眼瞼腫脹,下肢痛,歩行失行を主訴とし当院小児科外来を受診した1歳男児.血液像検査で異常細胞が認められなかったにもかかわらず,髄液サムソン染色で大型,N/C比大,核小体明瞭,核クロマチン構造が繊細な細胞が孤立散在性に認められた.血液疾患が疑われた為,髄液検体を用いてメイグリュンワルド・ギムザ染色,ペルオキシダーゼ染色,エステラーゼ二重染色を行った.メイグリュンワルド・ギムザ染色では芽球様細胞が散見された.これらの細胞は非特異的エステラーゼ染色が陽性でフッ化ナトリウムにより阻害され,ペルオキシダーゼ染色と特異的エステラーゼ染色が陰性だった.我々はこの結果を直ちに臨床に報告し,結果的にこの患者は急性骨髄単球性白血病(FAB分類M4)と診断されるに至った.髄液検体での血液染色により,急性白血病を迅速に指摘することができた症例だった.

収録刊行物

  • 医学検査

    医学検査 63 (3), 327-330, 2014

    一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会

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