無症候性脊髄脂肪腫の長期治療成績と手術時期

• 長坂 昌登

  あいち小児保健医療総合センター脳神経外科

• 大澤 弘勝

  あいち小児保健医療総合センター脳神経外科

• 加藤 美穂子

  あいち小児保健医療総合センター脳神経外科

書誌事項

タイトル別名

• Long-term Follow-up Results of Asymptomatic Spinal Lipoma including Operative Timing

抄録

 無症候性脊髄脂肪腫に対する予防的早期手術の是非について結論はついていない. その解決には, 自然歴とのランダム化比較試験が必要とされるが, 2群間のmatchingや研究の倫理性に問題がある. <br> 脊髄脂肪腫158例 (男女) の臨床像を分析し, 術後7年間以上の経過観察ができた無症候性脊髄脂肪腫51例の長期治療成績を調査した. <br> 無症候性86例, 症候性72例. Lipomyelomeningocele (LMMC) とtransitional typeの60%は症候性であった. 手術の67%は1歳未満で行われた. 初回手術時年齢の中央値は0.45歳で, 無症候性は0.4歳, 症候性は0.7歳であった. 無症候性脊髄脂肪腫51例の長期観察 (7.6～25.4年 : 中央値10.8年) で10例 (19.6%) に神経障害が出現し, 5例 (9.8%) に再係留解除術が行われた. <br> LMMC, sacral lipoma, そしてlarge lipomaの多くが1歳未満で症候性になり, 脊髄ヘルニア, urological studyによる早期診断, 圧迫がその原因として考えられた. <br> LMMC, sacral lipoma, large lipomaは1歳までに, dorsal type, filar typeには3歳までの手術が望ましいと考えられた.

収録刊行物

• Japanese Journal of Neurosurgery

  Japanese Journal of Neurosurgery 23 (5), 392-400, 2014

  日本脳神経外科コングレス

キーワード

• asymptomatic spinal lipoma
• early surgery
• long-term follow-up
• urological dysfunction

詳細情報

• CRID: 1390001204407325312
• NII論文ID: 130004610372
• DOI: 10.7887/jcns.23.392
• ISSN: 21873100
• ISSN: 0917950X
• 本文言語コード: ja
• データソース種別:
  • JaLC
  • Crossref
  • CiNii Articles
• 抄録ライセンスフラグ: 使用不可