大学生の睡眠習慣に対する介入とセルフ・エフィカシーの般化についての検討

DOI
  • 原田 和弘
    早稲田大学大学院スポーツ科学研究科
  • 平井 啓
    大阪大学コミュニケーションデザイン・センター 大阪大学大学院人間科学研究科 大阪大学大学院医学系研究科
  • 荒井 弘和
    大阪人間科学大学人間科学部
  • 岡 浩一朗
    早稲田大学スポーツ科学学術院
  • 中村 好男
    早稲田大学スポーツ科学学術院

書誌事項

タイトル別名
  • The Sleep Habits Intervention in Collage Students and Generalization of Self-Efficacy

抄録

ある状況における行動に対して形成されたセルフ・エフィカシーは、その状況を超えて、他のセルフ・エフィカシーにも般化すると言われている。しかし、セルフ・エフィカシーの般化を実証的に検討した研究はほとんど報告されていない。そこで本研究では、大学生の睡眠習慣に対する介入による、起床に関するセルフ・エフィカシーの向上が、他の健康行動に関するセルフ・エフィカシーを高めるかどうかを検討した。大学生20名を介入群と対照群に無作為に割り付け、睡眠日誌への記入による睡眠習慣の測定、ライフコーダーEXの装着による身体活動量の測定、および質問紙による心理変数の測定を3週間行った。3週のうち、初めの1週間をベースライン期間、残りの2週間を介入期間とした。介入内容は、セルフ・エフィカシーを高める情報源に基づき、平日の平均起床時間よりも1時間早く起きること、目標の明記、成功1回につき200円の報酬、積極的評価、および気分状態の確認であった。repeated ANOVAを行った結果、起床に関する自己調整セルフ・エフィカシーに関して、時間の主効果が認められた(F (2,36)=19.15, p<.01)。しかし、他の健康行動に関するセルフ・エフィカシーについては、時間の主効果、および群×時間の交互作用は認められなかった。以上より、起床に関するセルフ・エフィカシーが両群とも高められたものの、他の健康行動に関するセルフ・エフィカシーは高められなかったことから、セルフ・エフィカシーの般化は明らかとはなかった。

収録刊行物

詳細情報

  • CRID
    1390001205508936704
  • NII論文ID
    130004623061
  • DOI
    10.11331/jjbm.14.21
  • ISSN
    21880085
    13416790
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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