小児の交通性精巣水瘤術後に感染を生じた前腹壁腹膜外囊胞状リンパ管腫の治療経験

  • 大塩 猛人
    Department of Pediatric Surgery, International University of Health and Welfare Hospital Department of Pediatric Surgery, Shikoku Central Hospital
  • 森川 康英
    Department of Pediatric Surgery, International University of Health and Welfare Hospital
  • 黒田 一
    Department of Pathology, International University of Health and Welfare Hospital

書誌事項

タイトル別名
  • Infected Cystic Lymphangioma of Anterior Abdominal Wall After Communicated Scrotal Hydrocele Repair in a Child
  • 症例報告 小児の交通性精巣水瘤術後に感染を生じた前腹壁腹膜外囊胞状リンパ管腫の治療経験
  • ショウレイ ホウコク ショウニ ノ コウツウセイセイソウスイリュウジュツゴ ニ カンセン オ ショウジタ ゼン フクヘキ フクマク ガイノウホウジョウ リンパカン シュ ノ チリョウ ケイケン

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抄録

腹壁の腹膜外に発生した稀な囊胞状リンパ管腫を経験したので報告する.<br>3 歳7 か月男児で,膿瘍形成を伴う虫垂炎が疑われ入院した.21 日前に当科にて右交通性精巣水瘤根治術を施行した.再入院時には精巣水瘤の再発は認めず,白血球数は17,590/mm3 で,CRP 値は12.11 mg/dl と高値を示した.輸液と抗生剤による治療を開始した.CT 検査では右下腹部に巨大な多房性囊胞を,US 検査では右鼠径部に小さな囊胞を認め腹腔の囊胞に連なっていた.精巣水瘤術後の感染性囊胞状リンパ管腫と診断した.21 日後腹腔鏡で大網と囊胞の癒着を剝離した.虫垂には異常は無かった.前回の手術創を開き,ほとんどの囊胞を摘出した.遺残した囊胞内にはOK-432 を注入した.摘出した囊胞は,病理学的に囊胞状リンパ管腫と診断された.術後経過は良好で,2 年間再発を認めていない.

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参考文献 (17)*注記

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