継代培養中に病原力が低下したイネ白葉枯病細菌からの単集落培養による強病原力株の選出

書誌事項

タイトル別名
  • Selection of highly aggressive single colonies from weakly aggressive repeatedly-cultured isolates of <I>Xanthomonas campestris</I> pv. <I>oryzae</I>
  • ケイダイ バイヨウチュウ ニ ビョウゲンリョク ガ テイカシタ イネ シラハガ

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抄録

イネ白葉枯病細菌は人工培地上で継代培養を続けると病原力がしだいに低下することが知られている. 本実験ではそのようにして低下した病原力を回復させることを試みた. 病原力の低下した古い菌株から得た多数の単集落培養株をイネ品種金南風に接種してそれぞれの病原力を検定したところ, 同一母菌株から得られた単集落培養株の間に著しい病原力の差のある場合がしばしば見出された. この差はさらに単集落培養を繰り返しても変わらないので, 彷徨変異によるものではない. 母菌株の病原力は単集落培養株のそれの平均に近い値を示した. 病原力の程度の異なる単集落培養株を混合接種した場合の病原力は両者の中間の値を示し, その値は混合比率によって左右された. これらの成績は病原力の低下した古い菌株が病原力の程度の異なる細胞の混合であることを示している. したがって単集落培養によって母菌株よりも病原力の強い菌株を選抜できる可能性がある. 真空凍結乾燥によって保存した菌株からの単集落培養株間には差がみられず,一様に強い病原力を示した.

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