ゴムバンドを用いて、ゆっくりとした腹式呼吸に合わせて行う肩内・外転運動が肩関節周囲筋に及ぼす影響

  • 治面地 順子
    筑波大学大学院人間総合科学研究科スポーツ医学
  • 宮川 俊平
    筑波大学大学院人間総合科学研究科スポーツ医学

書誌事項

タイトル別名
  • Activity of the Periarticular Muscles of the Shoulder during Shoulder Adduction-Abduction against the Resistance of an Elastic Band during Slow Abdominal Breathing
  • ゴムバンド オ モチイテ 、 ユックリ ト シタ フクシキ コキュウ ニ アワセテ オコナウ カタ ナイ ・ ガイテンウンドウ ガ カタカンセツ シュウイキン ニ オヨボス エイキョウ

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抄録

目的 : 本研究は肩関節内外転動作時の肩関節周囲筋活動に関して、ゴムバンドを用いた負荷や、ゆっくりとした腹式呼吸に合わせた場合の影響について比較検討した。<BR>方法 : 対象は健常成人男性8名、肩関節0から90度(内転運動はこの逆)の外転動作を夫々8秒間かけて行った。そのときにゴムバンドなし、ゴムバンドあり、ゴムバンドとゆっくり行う呼吸法の3つの動作課題を設定した。上腕二頭筋、三角筋(前・中・後部線維)、僧帽筋(上・中・下部線維)と大胸筋を測定した。<BR>結果 : ゴムバンドを用いることで肩関節周囲筋の筋活動は高まり、さらに腹式呼吸に合わせることで、呼気外転時には三角筋中部線維や僧帽筋で筋活動は有意に大きくなり、吸気内転時には上腕二頭筋と三角筋前部線維において有意に減少した。<BR>考察 : 肩関節外転動作を行う際に、まず体幹の固定が肩関節外転動作に先んじて行われる。この時、呼気動作を行うことによって体幹安定筋である腹横筋の収縮が行われるために体幹の安定性が高まり、三角筋の収縮が効率よく行われたと考えられた。<BR>結論 : ゆっくりとした腹式呼気に合わせて行う肩外転運動は三角筋や僧帽筋の筋活動を効率良く高めることが示唆された。

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