核内受容体PXRによる免疫反応調節の機序解明
書誌事項
- タイトル別名
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- Pregnane X receptor protects liver from concanavalin A-induced hepatitis
抄録
核内受容体pregnane X receptor (PXR)は,肝臓や腸管に高いレベルで発現し,それら臓器の主要な生理機能の調節を担う低分子応答性の転写因子である。近年,PXRの機能喪失や異常と免疫系の活性亢進及び炎症性疾患との関連,またPXRの活性化による炎症軽減作用が報告され,PXRの新規生理機能として免疫系調節への関与が注目されている。しかし,その詳細な作用機序は依然として不明である。そこでコンカナバリンA(Con A)誘発性マウス肝障害モデルを用いて,PXRによる免疫系調節の作用機序の解明を目的に本研究を実施した。Con Aの単回静脈投与は,肝特異的に障害を誘発する。野生型マウス及びPXR欠損(PXR-KO)マウスにCon Aを同量投与した結果,野生型と比較して,PXR-KOマウスでは肝細胞壊死の増悪化や肝組織内への好中球の浸潤亢進が認められ,これらは血中ALT値の著しい上昇と正に相関していた。次いで,野生型マウスにげっ歯類特異的PXRリガンドPCNを前投与したところ,Con A投与9時間後において有意な肝細胞壊死の軽減,血中ALT値の改善,及び炎症関連遺伝子群のmRNAレベルの低下が認められた。更にCon A投与後,肝細胞壊死や血中ALT値の上昇が認められない早期の段階(3時間後)においては,ケモカインCCL2 やCXCL2のmRNAレベルの有意な上昇や肝組織内への好中球浸潤が認められた一方で,PCNの前投与によりこれらが著しく抑制されることを新たに見出した。以上本研究により,PXRの遺伝子欠損により,マウスのCon A誘発性肝障害に対する感受性が高まること,更にPXR活性化薬の投与は,Con A投与により惹起される一連の免疫反応の過程において,CCL2,CXCL2の発現,肝組織内への好中球の浸潤を抑制し,肝障害を軽減する可能性があることを新たに見出した。
収録刊行物
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- 日本毒性学会学術年会
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日本毒性学会学術年会 40.1 (0), 1003041-, 2013
日本毒性学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680522861824
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- NII論文ID
- 130004676521
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可