イヌにおけるテレメトリーシステムを用いた呼吸機能の基礎検討2

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  • Basic study 2 for the respiratory function using telemetry system in dogs

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抄録

【目的】体内埋め込み式テレメトリー送信器(TL11M3-D70-PCTR;DSI社)は心血管機能(血圧,心電図)と呼吸機能(呼吸量や呼吸数)が同時に連続測定することが出来る。前回の発表ではイヌにおいてD70-PCTRを埋め込み,無麻酔・無拘束下でのテレメトリーシステムを用いて呼吸機能(計測は胸郭インピーダンス法を用いた)・血圧・心電図の測定を行い,呼吸興奮剤である塩酸ドキサプラムを投与し,呼吸機能の促進効果を確認した。今回はD70-PCTRを用いてフェンタニルの副作用の1つである呼吸抑制作用の評価が可能か否かの検討をした。<br>【方法】雄性ビーグル犬4匹にD70-PCTRの埋め込み手術を行った。術後3週間以上経過した後,防音の整った環境下で無麻酔・無拘束下状態でテレメトリーシステムを用いて,フェンタニルを投与した時の呼吸機能,血圧及び心電図の測定を行った。次に,血液ガス検査(pH,CO2分圧,O2分圧及び動脈圧中ヘモグロビン濃度)とD70-PCTRを用いた測定結果の相違を検討した。<br>【結果】D70-PCTRを埋め込んだイヌにフェンタニルを投与した結果,呼吸機能では1回換気量の増加,分時換気量及び呼吸数の減少が認められた。血圧では低用量で血圧の低下,高用量で血圧の上昇が認められた。心拍数では変化は認められなかった。心電図では高用量で一過性ではあるが不整脈が1例に認められた。

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