4-(Hydroxymethylnitrosamino)-1-(3-pyridyl)-1-butanone glucuronideのA/Jマウスにおける生成と組織分布

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タイトル別名
  • Tissue distributions of 4-(hydroxymethylnitrosamino)-1-(3-pyridyl)-1-butanone glucuronide in A/J mouse

抄録

【目的】4-(Methylnitrosamino)-1-(3-pyridyl)-1-butanone (NNK)はニコチン由来のタバコ特異的ニトロソアミン類の一つであり,ヒトにおける化学発がんの主要原因物質の一つである。NNKはα-methyleneまたはα-methyl基が水酸化を受けることにより代謝的に活性化され,それぞれα-hydroxymethylene NNKまたはα-hydroxymethyl NNK (4-(hydroxymethylnitrosoamino)-1-(3-pyridyl)-1-butanone, HO-methyl NNK)を生成する。興味深いことに不安定な代謝中間体であるHO-methyl NNKには,そのグルクロニド(HO-methyl NNK gluc)の存在が知られており,HO-methyl NNK glucの組織分布とNNKの発がん標的臓器特異性との関係に興味が持たれる。そこで本研究ではA/JマウスにおけるHO-methyl NNK gluc生成と組織分布について検討することを目的とした。 <br>【方法】フェノバルビタール(PB)誘導及び非誘導(control)群の雄性A/Jマウスに対しNNK (50 mg/kg)を腹腔内投与した後,経時的に組織及び尿を採取しLC/MS/MS分析によりHO-methyl NNK glucの定量を行なった。 <br>【結果・考察】HO-methyl NNK gluc はNNKを腹腔内に投与後,速やかに血漿,肺,肝,膵及び腎からcontrol群及びPB誘導群共に検出された。その組織中濃度はいずれもPB誘導群の方が高かった。この傾向は尿中排泄量についても同様で,PB誘導群の方がcontrol群より高かった。以上の結果より,NNK投与A/JマウスにおいてHO-methyl NNK glucの組織分布と存在量が初めて明らかとなり,グルクロン酸抱合体として安定化したNNKの代謝中間体が,発がん標的組織に分布する可能性が示唆された。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205544715008
  • NII論文ID
    130004676789
  • DOI
    10.14869/toxpt.40.1.0.2003196.0
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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