気管孔に肉芽を形成し,カニューレ交換に支障をきたした3症例の検討

書誌事項

タイトル別名
  • Three Cases of Tracheostomal Hypergranulation Causing Difficulty in Tracheostomy Tube Changing
  • キカンコウ ニ ニクガ オ ケイセイ シ,カニューレ コウカン ニ シショウ オ キタシタ 3 ショウレイ ノ ケントウ

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抄録

急性期病院にて気管切開を施行され,リハビリ目的で当院へ転院後カニューレ交換が困難となった3症例について報告する。症例1 : 50歳代男性,外傷性くも膜下出血を発症し経皮的気管切開を施行され,当院へ転院した後カニューレ抜去困難となった。内視鏡では気管壁より生じた肉芽がカニューレの側孔からカニューレ内腔に突出していた。局所麻酔下に肉芽を可及的に切除した。症例2 : 20歳代男性,外傷性脳挫傷を発症し気管切開術を施行され,当院に転院した後カニューレ抜去困難となった。局所麻酔下に肉芽を可及的に切除し,同時に気管孔を閉鎖した。症例3 : 80歳代女性,肺炎を発症し気管切開術を施行され,当院へ転院した後カニューレ挿入困難となった。全身麻酔下に気管孔全周を皮膚と縫合した。肉芽発生予防のためには,気管開窓術の施行,カニューレ挿入期間の短縮が必要であると考えられた。またカニューレ交換の際には,気管孔周辺をよく観察することが重要であった。3症例とも矢状断CTにて気管孔直上の気管前壁が肥厚している所見を認めた。CTは気管孔周辺の状態,ならびにカニューレの挿入状態を評価するのに有用であった。

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