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- 倉田 なおみ
- 昭和大学薬学部 社会健康薬学講座 地域医療薬学部門
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抄録
胃瘻から薬を投薬するために、従来から錠剤を粉砕して粉末状にする方法が行われている。しかし、錠剤を粉砕することによりチューブ閉塞、医薬品の品質低下、投与量ロス、配合変化など多くの問題が生じている。そこで、錠剤粉砕やカプセル開封を行わずにチューブから薬を注入する方法である簡易懸濁法を紹介する。簡易懸濁法は、投与時に錠剤やカプセル剤をそのまま約55℃の温湯に入れて撹拌し、最長10分間放置して薬を崩壊・懸濁させる経管投薬法である。簡易懸濁法により、経管投与できる医薬品数が増加し、錠剤粉砕の調剤時に発生する問題やチューブ閉塞等が解消できる。錠剤コードで医薬品の確認ができ、中止変更の対応も容易にできるなど、そのメリットは多い。簡易懸濁法で使用する機器や食塩の影響などについても解説する。さらにチューブ殺菌効果を目的に使用する酢によって起こった医療事故を紹介し、酢の濃度について注意喚起する。
収録刊行物
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- 静脈経腸栄養
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静脈経腸栄養 29 (4), 981-987, 2014
日本静脈経腸栄養学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282679404298240
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- NII論文ID
- 130004678758
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- ISSN
- 18813623
- 13444980
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
- Crossref
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可