傍腟組織と直腸・肛門管の神経連絡

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  • Topohistology of the Paravaginal Nerves and Fasciae with Special Reference to Nerves to the Internal Anal Sphincter

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抄録

傍腟組織と直腸・肛門管は,直腸間膜によって遠く隔てられた構造と思われがちだが,両者の間には神経連絡があると推測される.成人女性献体10体から前頭断類似の組織切片を作成,平滑筋および神経の免疫組織染色を施した.傍腟組織は多数の神経および神経節を含み,恥頸筋膜とデノビエ筋膜がそれぞれ前後の境界を,上骨盤隔膜筋膜が外側縁をなしていた.肛門挙筋が腟に近接する高さでは,傍腟組織の前後をはさむ筋膜が不明瞭になり,傍腟組織内の神経は肛門挙筋によって前後2群に分断された.骨盤神経叢直腸枝下群(すなわち内肛門括約筋神経)は後方群から起こり,上骨盤隔膜筋膜に始まる連合縦走筋(外)と直腸縦走筋(内)の間を下降,アウエルバッハ筋間神経叢に加わって括約筋間神経を形成した.骨盤臓器脱手術などにおけるデノビエ筋膜外側部ないし傍腟組織の不注意な取り扱いは,内括約筋機能を損なう可能性があると考えられた.

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参考文献 (28)*注記

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