ツベルクリン過敏症に及ぼすcyclophosphamideの効果に関する研究

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  • ツベルクリン カビンショウ ニ オヨボス cyclophosphamide ノ

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抄録

DNCB 接触過敏症との比較のために,ツベルクリン(ツ)感作モルモットの皮膚反応ならびに所属リンパ節荊胞と牌細胞の細胞数, in vitro DNA 合成(endogenousproliferation), PPD response, phytohemagglutmin(PHA) response, concanavalin A (Con A) response に及ぼす cyclophosphamide (Cy) 効果を感作後経時的に観察した. 1)Cy による皮膚反応の減弱は,反応が plateau に漣するまでの初期にみられたにすぎず, plateau のレベルは無処理群のそれとほぼ同じであった.Cy による増強効果のみられる DNCB 接触過敏症でも, Freund's・complete adjuvant (FCA) 加 DNCB 感作の場合, Cyl による皮膚反応の明らかな増強効果はみられず,我々の行った in vitro の検索からは Cy による初期の皮膚反応の減弱を充分説明できる成績は得られなかった.従って,Cy による皮膚反応の減弱には,ツ感作が adjuvant効果として Cy-sensitive suppressor 細胞の誘導の阻止に働くことに加えて, Turk ら1)のいうような単なる Cy の一抗炎症効果が関与していると思われた. 2)リンパ節細胞と牌細胞の PPD response は,Cy によりその感作後の経時的上昇が低く抑えられた.リンパ節細胞と牌細胞の PHA と Con A の response は,Cy によって細胞数の減少している感作当日,ないし3日後に核比較的高い反応を示したが, endogenous proliferation の上昇に関連して細胞が増加してくる感作1週後に著胡に低下し, endogenous proliferation が低下する2週後に屯その低下は維持された.そのため,1週後以降のmitogen response の低下には,細胞のDNA合成の著明な充進によるmi togen に対する一時的不応期だけが原因でなく,増加した細胞中に T cell response を抑制する非特異的 suppressor 細胞が含まれている可能性が考えられた.2週後以降り Cy による PPD response の低下にも.以上のような mitogen response の低下に関与する非特異的因子が働いていると思われた.

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