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- タイトル別名
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- [Erythroderma with the high value of serum IgE continually over 200,000IU/ml].
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抄録
血清IgEが持続的に200,000IU/mlを越える高値を示した湿疹続発性紅皮症の1例を経験した.症例は79歳,男子.両手掌に瘙痒性皮疹出現,漸次拡大し紅皮症となって当科入院.外用療法にて軽快したため退院したが,すぐに再発し再入院した.血清IgEの持続的上昇を認め,最高300,000IU/mlを越えるに至る.免疫電気泳動にてIgEの沈降線を認める.諸検査施行したが悪性所見を認めない.皮疹軽快するに従い血清IgE値も減少傾向を示すが,それでも100,000IU/ml前後の値を示している.腋窩リンパ節の直接蛍光抗体法所見で,IgE産生形質細胞と思われる細胞を多数認める.紅皮症或は汎発型慢性湿疹と高IgE血症との関連に対して,アトピー素因や,T cell系の異常が云われている.このことにつき,自験例,我々の施設の症例,過去の報告例をあわせて若干の考察をおこなった.
収録刊行物
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- 日本皮膚科学会雑誌
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日本皮膚科学会雑誌 96 (10), 1019-, 1986
公益社団法人 日本皮膚科学会