横浜市における救急車利用に関する質問票調査

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タイトル別名
  • A questionnaire study on the use of emergency ambulances in Yokohama, Japan
  • ヨコハマシ ニ オケル キュウキュウシャ リヨウ ニ カンスル シツモンヒョウ チョウサ

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抄録

目的 横浜市では,救急車の出動件数の増加に伴い救急隊の運営費が増加していることから,現在効率的な病院前救護体制(119番通報から搬送先病院までの搬送体制)についての検討が行われている。本研究は,病院前救護体制の再構築にあたって,市民の意識を把握しておくため実施されたものである。<br/>方法 横浜市に在住する20歳以上の男女を対象に,無記名自記式による質問票調査を実施した。質問票は,3,363人に配布され,2,029人から回答を得た(回答率60.3%)。質問は,回答者の属性に関するもの,救急車利用の有料化に関するもの,救急隊運営の効率化に関するもの,救急車利用に代わる対策に関するものである。<br/>結果 有料化については賛成が65.8%,現状のままが31.0%であり,賛成が多数を占めた。有料化する場合の利用料金としては 3 千円や 5 千円と回答したものが多かった。質問票で提示した運営の効率化については,83.7%の回答者が賛同した。初期救急医療機関の存在は約60%の回答者に認知されていたが,救急医療情報センターや民間救急サービスの認知度は低い値を示した(23.3%と8.3%)。<br/>考察と結論 救急車利用の有料化や救急隊運営の効率化については,賛成の意見が多数を占めた。しかし,今回の質問票調査では,有料化や運営の効率化の有効性や安全性に関する情報は与えられていないことから,安全性が確保されるなら,といった条件付きでの賛同と受けとめた方が良いと思われる。今後,十分にその影響と安全性の検証を行う必要がある。

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