頸椎症性筋萎縮症におけるErb点電気刺激による近位筋, 遠位筋のCMAPとCMCTの臨床的有用性について

書誌事項

タイトル別名
  • Usefulness of CMAP derived from proximal and distal muscles by Erb point stimulation and of CMCT in cervical spondylotic amyotrophy
  • ケイツイショウセイキン イシュクショウ ニ オケル Erbテン デンキ シゲキ ニ ヨル キン イキン,エンイキン ノ CMAP ト CMCT ノ リンショウテキ ユウヨウセイ ニ ツイテ

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抄録

頸椎症性筋萎縮症 (CSA) には近位型と遠位型があり, その原因は神経根障害, 脊髄前角障害, ないしその混合型とされる。CSA患者において, 鎖骨上窩 (Erb点) 刺激による近位筋, 遠位筋の複合筋活動電位 (CMAP), F波および中枢運動伝導時間 (CMCT) の臨床的有用性について検討した。CMAPの基準値に対する比は徒手筋力テストと相関するとともに萎縮筋において著明な低下を示した。また, 健側筋や遠位型CSA患者の近位筋においても振幅低下を認めた。CMCTの遅延やF波の異常は近位型では36%, 遠位型では全例で認められ, 脊髄障害による前角障害が考えられた。CSA患者の手術施行群における予後不良例は術前のF波, CMCT測定結果から脊髄障害が示唆された症例であった。以上のことからErb点刺激CMAPとF波, CMCTを治療前に測定することによりCSA患者の病態把握および術後の予後が予測できることが示唆された。

収録刊行物

  • 臨床神経生理学

    臨床神経生理学 40 (1), 1-7, 2012

    一般社団法人 日本臨床神経生理学会

参考文献 (9)*注記

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