胆管腫瘍栓を伴う再発を繰り返す胆管内発育型肝細胞癌に対して3回の肝切除とTACEにより長期生存中の超高齢者の1例―自験36例の臨床的検討―

• 山崎 修

  大阪市立十三市民病院外科

• 岡 博子

  大阪市立十三市民病院消化器内科 （医）成和会ほうせんか病院内科

• 新川 寛二

  大阪市立十三市民病院外科 大阪市立大学病院肝胆膵外科

• 倉井 修

  大阪市立十三市民病院消化器内科

書誌事項

タイトル別名

• Repeated bile duct recurrence of hepatocellular carcinoma treated by repeated hepatic resection and transcatheter arterial chemoembolization: a report of super elderly case
• 症例報告 胆管腫瘍栓を伴う再発を繰り返す胆管内発育型肝細胞癌に対して3回の肝切除とTACEにより長期生存中の超高齢者の1例 : 自験36例の臨床的検討
• ショウレイ ホウコク タンカン シュヨウセン オ トモナウ サイハツ オ クリカエス タンカン ナイ ハツイクガタ カン サイボウガン ニ タイシテ 3カイ ノ カン セツジョ ト TACE ニ ヨリ チョウキ セイゾン チュウ ノ チョウコウレイシャ ノ 1レイ : ジケン36レイ ノ リンショウテキ ケントウ

抄録

症例は92歳，男性．2005年1月，C型慢性肝炎を背景とする径3.8 cmの胆管内発育型肝細胞癌に対してTACE後に肝後区域切除が施行された．中分化型肝癌で胆管腫瘍栓もほぼ壊死に陥っていた．2006年8月，胆管前枝から肝門部におよぶ腫瘍栓に対して肝前区域切除を施行した．切除標本内に径1.5 cmの結節型を呈する中分化型癌と連続する胆管腫瘍栓を認めた．2008年7月，肝S4の径1.5 cmの再発結節に対してRFAを施行した．2010年3月，肝門部胆管閉塞を発症しまずPTCSにより腫瘍栓を確認した．TACEを施行し2週間後に再度観察したところ腫瘍栓は完全に壊死に陥りその後脱落した．2012年9月，肝門部胆管腫瘍栓の再発を認め，2012年10月，2013年4月と8月にTACEを施行した．しかし腫瘍栓の増大とPTCD後も尾状葉胆管枝の拡張を認めた．2013年9月，尾状葉切除と胆管腫瘍栓摘出術を施行したが孤立性の胆管腫瘍栓であり肝内腫瘍はなかった．これまでに経験した胆管内発育型肝癌は非切除29例と肝切除7例でMSTはそれぞれ4.5カ月と22.9カ月であり予後不良であった．自験例は超高齢者であるが3回の肝切除を軸とする集学的治療により長期生存がえられたと考えられる．

収録刊行物

• 肝臓

  肝臓 55 (8), 468-478, 2014

  一般社団法人　日本肝臓学会

キーワード

• 肝細胞癌
• 胆管腫瘍栓
• 肝切除
• TACE
• PTCS

詳細情報

• CRID: 1390001204792662400
• NII論文ID: 130004687855
• NII書誌ID: AN00047770
• DOI: 10.2957/kanzo.55.468
• ISSN: 18813593
• ISSN: 04514203
• NDL書誌ID: 025695952
• Web Site: https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R000000004-I025695952
• Web Site: https://www.jstage.jst.go.jp/article/kanzo/55/8/55_468/_pdf
• Web Site: https://search.jamas.or.jp/link/ui/2014374265
• 本文言語コード: ja
• データソース種別:
  • JaLC
  • NDL
  • Crossref
  • CiNii Articles
• 抄録ライセンスフラグ: 使用不可