歌唱者の音声障害に対する音声治療の効果

  • 金子 真美
    京都大学大学院医学研究科耳鼻咽喉科・頭頸部外科
  • 平野 滋
    京都大学大学院医学研究科耳鼻咽喉科・頭頸部外科
  • 楯谷 一郎
    京都大学大学院医学研究科耳鼻咽喉科・頭頸部外科
  • 倉智 雅子
    新潟リハビリテーション大学大学院リハビリテーション研究科
  • 城本 修
    県立広島大学保健福祉学部コミュニケーション障害学科
  • 榊原 健一
    北海道医療大学心理科学部言語聴覚療法学科
  • 伊藤 壽一
    京都大学大学院医学研究科耳鼻咽喉科・頭頸部外科

書誌事項

タイトル別名
  • Efficacy of Voice Therapy for Singers with Dysphonia

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抄録

一般人の音声障害に関する音声治療については多くの報告があり,高いエビデンスレベルのものもある.しかし歌唱者の音声障害に対する音声治療については国内外で報告は少なく,現時点で確立された手技もない.今回われわれは歌唱者の音声障害に対し音声治療を行い,症状に一定の改善を認めた.対象は声帯結節,声帯瘢痕,声帯萎縮,過緊張性発声障害のいずれかと診断され,音声治療を施行した歌唱者9例(男性5例,女性4例,平均年齢53.3歳)である.口腔前部の共鳴を意識した音声治療を施行し,効果をGRBAS,ストロボスコピー,空気力学的検査,音響分析,自覚的評価,フォルマント周波数解析で評価した.治療後,音声の改善は個人差があるものの全例で認められ,MPTやVHI-10,GRBASで有意差が認められた.また,歌唱フォルマントもより強調されるようになった.歌唱者の音声障害に対する音声治療は一定の効果が期待できると考えられた.

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参考文献 (21)*注記

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