微小血管狭心症が疑われる難治性の胸痛に対してCa拮抗薬の変更が有効であった1例

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  • Clinical effect of changing Ca antagonist for refractory chest pain in a patient with suspected microvascular angina

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抄録

症例は,40歳代,女性.高血圧,脂質異常症で内服加療中であった.数年前からときどき胸痛を認めたが,心電図では明らかな異常を指摘できなかった.2009年4月の夜間に強い胸痛を数回認め他院に入院となった.冠動脈造影では狭窄病変はなく,エルゴノビン負荷試験でも有意な冠攣縮は認めなかった.2010年9月に虚血性ST-T変化を伴う強い胸痛が出現し,その後胸痛の頻度が増加した.微小血管狭心症と考えニフェジピンCR,ニコランジル,一硝酸イソソルビド,硝酸イソソルビド貼付薬を併用するも症状は改善せず,胸痛時のニトログリセリン舌下も効果は乏しかった.しかし,ニフェジピンCRをジルチアゼムRに変更したところ胸痛の頻度が減少し,さらに,ベラパミルを追加したところ胸痛はほぼ消失した.微小血管狭心症が疑われCa拮抗薬の変更が著効した1例であり文献的考察を加えて報告する.

収録刊行物

  • 心臓

    心臓 45 (7), 798-803, 2013

    公益財団法人 日本心臓財団

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