巨大疣腫を早期に外科的摘除したペースメーカーリード関連感染性心内膜炎の1例

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タイトル別名
  • An early operative case of uncontrolled cardiac device - related infective endocarditis

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抄録

症例は70歳,男性.高度房室ブロックに対して,恒久的ペースメーカー植え込み術を施行した.植え込み2カ月後,40℃台の発熱が持続するため当院受診,血液培養でメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(methicillin-resistant staphylococcus aureus;MRSA)を検出し,心エコー図検査でペースメーカーリードに22×15mmの疣腫を認めたため,ペースメーカーリード関連感染性心内膜炎の診断にて入院となった.抗生物質治療により,炎症反応は一時低下傾向であったが,血液培養は陰転化せず,第13病日から再度発熱したため,内科的治療に抵抗性と判断し,第15病日開胸によるペースメーカーリードおよびジェネレータの摘除術を施行した.摘除後の再植え込みまでは,心外膜ペーシングと経静脈的体外式ペースメーカーを挿入,感染の再燃なく,第39病日に再度恒久的ペースメーカー植え込み術を施行した.デバイス関連感染性心内膜炎は,抗生物質による内科的治療に抵抗性であり,可及的早期の外科的摘除術が推奨される.今回,ペースメーカーリード感染による感染性心内膜炎に対し早期に外科的摘除術を行い,その後,心外膜ペーシングと経静脈的体外式ペースメーカーによる一時的ペーシング施行後,感染が十分コントロールされた時期に再度恒久的ペースメーカー植え込み術を施行し,良好な経過を得た症例を経験したので報告する.

収録刊行物

  • 心臓

    心臓 45 (8), 1024-1030, 2013

    公益財団法人 日本心臓財団

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