3種類のビデオ喉頭鏡Airtraq<sup>®</sup>,Kingvision<sup>®</sup>,Airwayscope<sup>®</sup>の気管挿管の操作性の比較検討

書誌事項

タイトル別名
  • COMPARISON OF THE USABILITY OF AIRTRAQ<sup>®</sup>, KINGVISION<sup>®</sup> AND AIRWAYSCOPE<sup>®</sup> FOR ORAL INTUBATION IN NORMAL AIRWAY PATIENTS
  • 3種類のビデオ喉頭鏡Airtraq,Kingvision,Airwayscopeの気管挿管の操作性の比較検討
  • 3シュルイ ノ ビデオ コウトウキョウ Airtraq,Kingvision,Airwayscope ノ キカンソウカン ノ ソウサセイ ノ ヒカク ケントウ

この論文をさがす

抄録

目的:近年多くの間接視型喉頭鏡が発売され,実際に臨床現場で用いられており,その操作性が注目されている.直接視型喉頭鏡では,挿管施行者が声門部を直接視することが不可欠である一方,間接視型喉頭鏡では,ブレード先端のカメラや光学チャネルからの画像により,声門を確認できれば気管チューブを気管に誘導することが可能である.各機種でさまざまな特徴があり,それぞれに対して直接視型喉頭鏡との比較研究が行われてきており,高い挿管成功率や挿管時間の短縮などの有用性が報告されている.しかし,間接視型喉頭鏡の間で操作性を比較した報告は少ない.そこで今回,3種類のチューブ誘導機能付き間接視型喉頭鏡Airtraq®(ATQ),Kingvision® (KV),Airwayscope®(AWS)を全身麻酔導入時の気管挿管に使用し,挿管時間と声門の視野(Cormack/Lehane分類)を比較検討した.対象:本研究は昭和大学藤が丘病院臨床試験審査委員会の承認を受けて行われた.気管挿管を用いた全身麻酔下で定期手術が予定された患者のうち,文書による同意を得た患者90人を対象とした.20歳未満,ASA分類4以上,挿管困難が予想される者は除外した.方法:手術前日までにASA分類,年齢,性別,身長,体重,Mallanpati分類,開口度を記録した.ATQを使用するものをATQ群,KVを使用するものをKV群,AWSを使用するものをAWS群とし,各群30人とし,どの機種を用いるかは入室時にランダムに決定された.プロポフォール,レミフェンタニル,ロクロニウムにより全身麻酔を導入し,十分な酸素化の後に気管挿管を行った.気管挿管は日本麻酔科学会認定医以上のものが行い,挿管施行者と別の評価者により,挿管時間,声門の視野が計測,記録された.挿管時間は開口から声帯視認までと声帯視認から挿管までと挿管から換気までに細分して計測した.結果:気管挿管は90人とも1回目で成功し,歯牙や口腔内の損傷などの合併症の発生はなかった.挿管時間はKV群で28.3±6.1秒,AWS群で28.4±7.2秒,ATQ群で40.0±11.4秒であり,KV群,AWS群で有意に短かった(p<0.0001).声門の視野はAWS群では全例Cormack分類I度であったのと比較してATQ群ではCormack分類II度とグレードが低かった症例が8例あった(p<0.005).考察:KVとAWSは,挿管時口腔内から声門までを連続して観察することができ,より確実に,迅速に機器の先端を声帯に到達させることができるため,声帯視認までの時間が早く,チューブの誘導もより速やかに行うことができたと考えられる.KVとAWSで声帯視認,挿管までの時間に差が出たが,AWSの喉頭蓋自体を挙上して声門を見るという特徴が関連していると考えた.また,この喉頭蓋自体を挙上するという特徴によりAWSで良好な声門の視野が得られたと考えた.

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ