P4-003  胃癌と神経内分泌腫瘍を合併した抗p155/140抗体陽性皮膚筋炎の1例

  • 中下 珠緒
    亀田メディカルセンター リウマチ膠原病アレルギー内科
  • 地畠 暁
    亀田メディカルセンター リウマチ膠原病アレルギー内科
  • 細野 祐司
    京都大学大学院医学研究科内科学講座臨床免疫学
  • 三森 経世
    京都大学大学院医学研究科内科学講座臨床免疫学
  • 本島 新司
    亀田メディカルセンター リウマチ膠原病アレルギー内科

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抄録

多発性筋炎/皮膚筋炎(以下,PM/DM)では,特異的に検出される自己抗体が病型分類,治療法,予後の予測などに有用である.DMの特異的抗体である抗p155/140抗体陽性の皮膚筋炎は,悪性腫瘍の合併が多いことが知られている.今回われわれは,胃癌と神経内分泌腫瘍の重複癌を合併した皮膚筋炎を経験したので報告する.【症例】82歳,男性.2013年7月頃から顔面・四肢に掻痒感を伴う皮疹が出現し,同年9月頃より両側上腕の筋肉痛,嚥下障害が出現.近医を受診し,嚥下障害の精査目的で施行された上部消化管内視鏡検査にて胃癌が指摘された.悪性腫瘍関連皮膚筋炎が疑われたため,同年10月当科紹介受診.嚥下障害,近位筋優位の筋力低下,筋肉痛,ゴットロン徴候,ヘリオトロープ疹を認め,CK・アルドラーゼの上昇,筋電図の筋原性変化よりDMと診断した.CT上,縦隔リンパ節腫脹と左S6の腫瘤陰影を認めたため,気管支超音波ガイド下縦隔リンパ節生検を施行したところ,免疫染色の結果,胃癌とは組織型の違う神経内分泌腫瘍が指摘された.DMに対しPSL30mg/日で治療を開始し全身状態およびCK値は改善した.神経内分泌腫瘍に対しては,年齢およびPSを考慮し放射線治療を開始した.【結語】悪性腫瘍関連DMの場合,筋炎に対する治療を開始しPSを改善することが悪性腫瘍の治療の面からも重要であり,重複癌の可能性についても検索する必要がある.

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