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抄録
【背景】マスト細胞はアレルギー性疾患のみならず関節リウマチなどの自己免疫性疾患においても病変部でその数の上昇が報告され,病態への関与が推測されている.しかし,間質性肺炎におけるその役割については詳細な検討がおこなわれておらず,今回特発性肺線維症の肺病理組織検体を用い検討を行った.【方法】特発性肺線維症症例の肺病理組織を用い,免疫組織染色法によりマスト細胞(トリプターゼ陽性)を同定し,マスト細胞の定量および局在について検討を行った.Human mast cell line-1(HMC-1)と肺線維芽細胞を共培養し,肺線維芽細胞におけるα-Smooth muscle actinやTGF-β,VEGFなどの発現をqRT-PCR法を用い,RNAレベルで解析を行った.【結果】マスト細胞の数は著明に増加しており,また線維芽細胞および筋線維芽細胞近位に位置していた.α-Smooth muscle actinやTGF-β,VEGFの発現はRNAレベルで上昇しており,マスト細胞が肺線維芽細胞の筋線維芽細胞への分化およびサイトカイン産生を促進する可能性が示唆された.【結語】マスト細胞は肺線維芽細胞の筋線維芽細胞への分化およびpro-fibrotic, anginonenic factorの発現を誘導し,肺線維化促進的に作用する可能性が示唆された.
収録刊行物
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- 日本臨床免疫学会会誌
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日本臨床免疫学会会誌 37 (4), 356b-356b, 2014
日本臨床免疫学会