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抄録
【目的】近年,種々の細胞においてその細胞の分化に関する転写因子を線維芽細胞等に導入することで直接それらの細胞に変換しうることが示されている.これまでに線維芽細胞にRunx2を遺伝子導入することで骨芽細胞様に誘導出来ることが報告されているが,それ以外の因子を組み合わせた場合に誘導効率がどう変化するかについては検討がされていない.そこで今回我々は骨芽細胞分化において重要な転写因子であるRunx2及びOsterixと初期化因子である山中4因子を組み合わせた場合の影響を検討した.【方法】マウス胎仔線維芽細胞にレトロウイルスベクターを用いてRunx2,Osterix及びOct3/4,Klf4,Sox2,c-Mycを遺伝子導入し,骨芽細胞を誘導した.それぞれの誘導効率はAlizarin Red S染色による石灰化基質の定量化により評価した.優れた石灰化能を呈した組み合わせについては,さらにReal time PCR, Alkaline phosphatase染色,von Kossa染色などを追加し骨芽細胞の表現系を有しているかを検討した.【結果】Runx2とKlf4を導入した線維芽細胞がRunx2のみを導入した場合に比べ,より早くAlizarin red S染色で強染色性を示す傾向にあった.また,骨芽細胞マーカーであるOsteocalcinの発現もRunx2にKlf4を組み合わせることで有意に増大した.【結論】Runx2にKlf4を組み合わせて導入することで,より効率的に線維芽細胞から骨芽細胞に誘導を生じさせ得ることが示唆された.
収録刊行物
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- 日本臨床免疫学会会誌
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日本臨床免疫学会会誌 37 (4), 361b-361b, 2014
日本臨床免疫学会