P9-005  時代背景によるSLE患者の病型,治療,経過の変遷-JUDEコホート研究より-

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抄録

【目的】SLEの病型,治療経過,再燃について時代背景による変遷を調査する.【方法】当院のSLE症例を対象にJUDE(Juntendo University Database of Erythematosus)コホート研究を行った.治療開始後,10年間経過観察しえた症例を,1973年から10年毎に3群に分け,各群における病型,治療経過,再燃について比較検討した.再燃は,SELENA-SLEDAIの評価を用いた.【結果】1973-1982年82例,1983-1992年141例,1993-2002年160例を対象とした.初発時・再燃時ともに,血小板減少,溶血性貧血,中枢神経系病変,漿膜炎は年代毎に増加傾向を認めたが,尿所見異常は年代による差を認めなかった.初発時・再燃時ともに,年代毎に免疫抑制剤の使用は増加傾向を認めた.初回再燃までの期間は短縮していたが,再燃率は40%であり,年代による差を認めなかった.【考察】ループス腎炎に対する免疫抑制療法治療は確立されつつあるが,その他の病態,特に血小板減少等が再燃に寄与することが過去のJUDEより報告されている.治療が強化されてきている中で,初回再燃までの期間が短縮,また,再燃率が減少していない原因として,診断技術の進歩等により初発時病型が変化し,尿所見異常以外の病態が増加したためと考えられた.【結論】時代背景により,治療のみならず,病型・経過も変化していることが確認された.

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