現行癌取扱い規約の問題点

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タイトル別名
  • Pathological problems in The General Rules for Clinical and Pathological Management of Uterine Cervical Cancer (2<sup>nd</sup> ed, 1997)
  • Pathological problems in The General Rules for Clinical and Pathological Management of Uterine Cervical Cancer (2nd ed, 1997)

抄録

目的 : 現行の子宮頸癌取扱い規約, 第 2 版 (以下, 規約) の問題点を病理学的見地から取り上げ, 新規約への提言を行う.<br>背景 : 規約は, 頸癌の病理診断・治療に大きな役割を果たしてきた. しかし近年, 頸癌のほぼすべてがハイリスク HPV 感染に由来することが認められ, また, わが国においても細胞診のパパニコロウ分類からベセスダシステムへの新時代が訪れて, 病理学的見地からの新たな対応が望まれている. 扁平上皮系の腫瘍性病変 (前癌病変) についてベセスダシステムでは扁平上皮内病変 (squamous intraepithelial lesion ; SIL) 分類, すなわち軽度および高度の扁平上皮内病変 (low-grade squamous intraepithelial lesion ; LSIL および high-grade squamous intraepithelial lesion ; HSIL) の 2 段階分類を用いているが, 新規約で使用すべき組織学的分類について, 従来の異形成/上皮内癌分類, WHO の子宮頸部上皮内腫瘍 (cervical intraepithelial neoplasia ; CIN) 分類, および SIL 分類の 3 者について比較検討した. 腺性の病変については, 規約で用いられている腺異形成についての妥当性を検討した. さらに, 上皮内腺癌からの腺癌上皮の間質への芽出を微小浸潤腺癌の定義としていることの問題点を示した.<br>結論 : 新規約での扁平上皮系の上皮内病変の分類は CIN 分類を主体にすることが望ましい. 腺異形成の組織学的な裏付けを明確にする必要がある. 微小腺癌の組織学的な定義をより客観性のあるものにするよう提案したい.

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282679673551744
  • NII論文ID
    130004696398
  • DOI
    10.5795/jjscc.51.53
  • ISSN
    18827233
    03871193
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • Crossref
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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