乳房温存療法後に発生した放射線誘発血管肉腫の1例

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Radiation-induced Angiosarcoma after Conservative Treatment for Breast Cancer
  • 症例 乳房温存療法後に発生した放射線誘発血管肉腫の1例
  • ショウレイ チブサ オンゾン リョウホウ ゴ ニ ハッセイ シタ ホウシャセン ユウハツ ケッカン ニクシュ ノ 1レイ

この論文をさがす

抄録

症例は32歳,女性.2004年7月(当時25歳)に左乳癌に対し乳房部分切除と腋窩リンパ節郭清を施行した.術後CMF療法・放射線療法(50Gy)を施行し,以降再発なく経過観察した.2009年10月に左乳房を打撲したとのことで受診.黄色調の内出血を認めるのみで経過観察となったが,2010年3月,改善せず再び受診.打撲部が腫瘤様に変化していたため,針生検を施行したところ放射線誘発血管肉腫が考えられた.他に遠隔転移なく,同年4月,左乳房切除術と分層植皮術を行い,術後補助化学療法を施行するも,約1年で再発し,その後4カ月の経過で急激な転帰を辿り永眠した.放射線誘発血管肉腫は,放射線照射部位に生じる,極めて予後不良な疾患である.頻度は少ないが,乳房温存術後放射線照射が普及している中で,本疾患はその弊害として注目すべき疾患と考えられる.今回,われわれは術後5年8カ月で発症した放射線誘発血管肉腫を経験したので,併せて文献的考察を加えて報告する.

収録刊行物

被引用文献 (1)*注記

もっと見る

参考文献 (11)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ