統合失調症に併発した横行結腸軸捻の1例

書誌事項

タイトル別名
  • A Case Report of Transverse Colonic Volvulus Occurred in a Patient with Schizophrenia
  • 症例 統合失調症に併発した横行結腸軸捻の1例
  • ショウレイ トウゴウ シッチョウショウ ニ ヘイハツ シタ オウコウ ケッチョウジクネン ノ 1レイ

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抄録

症例は61歳の女性で,3日前に発症した腹痛の増悪にて統合失調症で入院中の精神科病院より受診した.血液検査でWBC数とCRPの上昇を認め,腹部造影CTで横行結腸の著明な拡張を認めたため横行結腸軸捻を疑い注腸造影で確診したが,内科的整復は穿孔の危険性が高いと判断し緊急手術を施行した.横行結腸はほぼ全長が壊死状態に陥っており,中等量の血性腹水も認めた.可及的に壊死腸管を切除し機能的端々吻合術で再建を行った結果,術後経過は良好で術後10日目に精神科病院へ転院となった.結腸軸捻は大腸の機械的な閉塞原因の約3%を占める疾患であるが,9割はS状結腸で発生するため横行結腸軸捻はまれである.自験例では複数の向精神薬を服用しており,慢性便秘であったことが発症要因と考えられた.結腸切除と一期的再建術で経過は良好であったが,病因を踏まえての治療法選択が重要な疾患であり若干の文献的考察を加えて報告する.

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参考文献 (9)*注記

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