医師における白衣の交換頻度及び聴診器の消毒に関する多施設共同横断研究

  • 鈴木 広道
    公益財団法人筑波メディカルセンター筑波メディカルセンター病院感染症内科
  • 石丸 直人
    医療法人社団明石医療センター内科・呼吸器内科
  • 木下 賢輔
    筑波大学附属病院水戸地域医療教育センター・水戸協同病院総合診療科
  • 中澤 一弘
    社会医療法人つくばセントラル病院 内科
  • 大西 尚
    医療法人社団明石医療センター内科・呼吸器内科
  • 木南 佐織
    医療法人社団明石医療センター内科・呼吸器内科
  • 多留 賀功
    社会医療法人つくばセントラル病院 腎臓内科
  • 石川 博一
    公益財団法人筑波メディカルセンター筑波メディカルセンター病院感染症内科

書誌事項

タイトル別名
  • A Cross-Sectional Multicenter Study of the Frequency of White Coat Cleaning and Stethoscope Wiping Among Hospital Physicians
  • イシ ニ オケル ハクイ ノ コウカン ヒンド オヨビ チョウシンキ ノ ショウドク ニ カンスル タシセツ キョウドウ オウダン ケンキュウ

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抄録

  白衣・聴診器は多剤耐性菌による汚染源となるが,白衣の交換頻度,聴診器の消毒の有無に関して我が国では実態調査は行われていない.今回,国内の4病院において入院診療に携わる常勤医を対象に2013年7~8月の期間において,アンケート調査を実施した.対象医師314名中312名より協力が得られ,有効回答が得られた308名(98%)において解析を行った.白衣の交換頻度は約半数(48%)で週1回程度であり,毎日白衣を交換している医師は23名(7.5%)であった.聴診器膜面のふき取りは162名(53%)で実施されていたが,患者1人毎の診察でふき取りを行っている医師はその内37名(23%)であった.背景因子との比較において,医師経験年数(10年以上)が白衣の交換頻度の低下と独立して関連を認めていた(p=0.04).男性医師において聴診器膜面の消毒が行われる頻度が低い事が示唆された(p=0.01).いずれも施設間の差は独立因子としては認めなかった.多剤耐性菌の抑制には,毎日の白衣交換,患者毎の聴診器膜面消毒が重要であるが,本研究において適切な白衣交換,聴診器膜面消毒が行われている割合は少数であることが示された.今回のデータを基に対象施設における改善を図ると共に,大規模な実態調査を行い,白衣交換・聴診器膜面の消毒が適切に行われていない要因をより明らかにする必要がある.<br>

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参考文献 (27)*注記

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