炭酸ガス使用における上部内視鏡検査の有用性の検討

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  • Usefulness of Administering Carbon Dioxide in Esophagogastroduodenoscopy
  • タンサンガス シヨウ ニ オケル ジョウブ ナイシキョウ ケンサ ノ ユウヨウセイ ノ ケントウ

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抄録

目的:炭酸ガス(CO2)は体組織に吸収がよいため,内視鏡検査後の体内ガス減少により苦痛緩和や,その後の検査に影響がでないなどの有用性が期待できる.近年,CO2使用による大腸内視鏡検査が,検査後の苦痛緩和目的に行われている.そこで我々は上部内視鏡検査(esophago-gastro-duodenoscopy:以下,EGDS)におけるCO2使用による患者苦痛の緩和,内視鏡検査直後の腹部超音波検査への影響を検討した.<br>方法:当院の健診受診者でEGDS,腹部超音波を毎年行っている受診者を対象に検討した.苦痛緩和に関しては,前年との苦痛感の比較をアンケートで評価した.また超音波検査への影響については,EGDSを実施した後に腹部超音波検査を行って画像を評価した.超音波画像を専門検査技師が前年画像と比較して評価を行った.<br>結果:EGDS後の苦痛緩和に関しては前年より楽,ないしは変わりなかったとの評価であった.超音波画像に関しては約27%に画像の悪化が認められたが,判定不能例はなかった.<br>結論:CO2使用によるEGDSは,従来法と比較して検査後の不快感を改善することが示唆された.CO2使用によるEGDS後の腹部超音波検査では,画像に若干の影響はあったが,判定には影響がないものと考えられた.これによりEGDSの後に腹部超音波検査が可能になることが示唆された.

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