腎発生からみたbranching morphogenesis

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  • Branching morphogenesis during kidney development

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抄録

尿管芽分岐はネフロン数の主要な決定要因である。子宮内発育遅延モデルであるラット母体低栄養ではネフロン数が減少し,その一因は尿管芽分岐抑制である。尿管芽分岐抑制のメカニズムとして後腎発生早期におけるシグナル経路の抑制が考えられる。アポトーシス誘導因子として有名なシグナル分子caspase-3 も尿管芽分岐を誘導する。その作用機序は尿管芽先端に発現するWnt11 の下流においてβ catenin 抑制,ROCK1 活性化を介して尿管芽細胞遊走を促進することである。一方,ネフロン数減少は継代される可能性がありエピジェネティクス機構の存在が示唆される。エピジェネティクス機構の1 つDNAメチル化の網羅的解析によると,胎生18 日の後腎でメチル化されていた腎発生関連の遺伝子のほとんどが尿管芽分岐に関与するものであった。尿管芽分岐が母体低栄養によるネフロン数減少およびその継世代的伝達に重要であることが示唆される。

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