当科における重複悪性腫瘍患者の検討

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抄録

社会の高齢化に伴いがん患者数が増加し,重複悪性腫瘍の患者にときに遭遇することがある.今回,当科において診断・治療を行った重複悪性腫瘍患者について検討を行った.2008年1月から2012年12月に当科にて生検または手術を行い病理学的に悪性と診断された症例数は253検体,191例(男性106例,女性85例,平均年齢59歳)であった.これらの症例のうち,重複悪性腫瘍は31例であった.その内訳は,男性15例,女性16例,平均年齢66歳であった.悪性腫瘍の種類別にみると,癌腫の重複(CC群)4例.肉腫と癌腫の重複(SC群)24例,肉腫の重複(SS群)3例であった.SS群は全例放射線治療後の患者であった.SC群では,肉腫は脂肪肉腫が13例と最も多く,いわゆるMFH 5例,平滑筋肉腫,軟骨肉腫2例,骨肉腫,悪性末梢神経鞘腫1例であった.癌は大腸癌4例,乳癌,肺癌,胃癌3例,子宮体癌,子宮頚癌,卵巣癌,咽頭癌,甲状腺癌2例,胆嚢癌,肝癌1例であった(癌の重複1例有り).SC群において脂肪肉腫が最も多く一般的な腫瘍発生頻度と合致していたが,癌は必ずしも一般的な発生頻度と合致していないと思われた.

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