小腸がん合併AIDS発症者に対し終末期緩和ケアを行った1例

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タイトル別名
  • Palliative care for an AIDS patient with small intestine cancer

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抄録

【緒言】AIDS発症者は緩和ケア病棟入院の対象者であるが,実際には受け入れていない施設が多い.また,AIDS発症者の小腸がん合併はまれである.今回,小腸がん合併AIDS発症者を緩和ケア病棟(ホスピス)で受け入れ,緩和ケアを提供した症例を経験したので報告する.【症例】64歳,男性.AIDSの診断で抗ウイルス剤にて治療中であったが,小腸がんを合併し,緩和ケア目的に当院へ紹介入院となった.疼痛の増強に対し,フェンタニル貼付剤からフェンタニル貼付剤とモルヒネ持続皮下注射の併用に変更し,改善が得られた.最期は本人の希望により,間欠的鎮静を経て,フェノバルビタールによる持続的鎮静を導入した.【考察】HIV/AIDS患者の高齢化に伴い,緩和ケアを必要とする例も増加することが考えられる.施設間での緊密な情報提供と自施設内での検討を事前に行っておくことにより,緩和ケア病棟で受け入れ可能な症例の増加が期待できる.

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参考文献 (1)*注記

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