上腕骨外科頸骨折術後の骨頭前後屈変形の検討

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抄録

上腕骨外科頚骨折術後骨頭の前後屈変形についての報告はほとんどない.著者らは上腕骨近位端骨折術後の整復状況についてCT画像を用いて評価し検討した.上腕骨外科頚骨折に対して髄内釘法を施行した25例25肩を対象とした.手術時平均年齢は70.7歳で,平均経過観察期間は36カ月だった.最終経過観察時,両上腕骨全長CTを撮影し,矢状断面を作成した.結節間溝と骨幹軸のなす角度を骨頭の前屈角とし,健側と比較した.臨床成績は日本整形外科学会肩関節疾患治療成績判定基準(以下JOA score)を用い,骨頭の前屈角度患健側差とJOA scoreの関係,前屈角度患健側差と肩関節前方挙上角度患健側差の関係を検討した.骨頭の前屈角患健側差とJOA scoreには有意な相関を認めなかったが,前屈角患健側差と肩関節前方挙上角度患健側差患健側差には有意な相関関係を認めた.前後屈変形は関節可動域に影響を及ぼしている可能性がある.

収録刊行物

  • 肩関節

    肩関節 38 (3), 855-858, 2014

    日本肩関節学会

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