鏡視下肩腱板修復術の合併症 -術直後の手指しびれについての検討-

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抄録

本研究の目的は,鏡視下肩腱板修復術(ARCR)の合併症を調べ,術直後の手指しびれの経過を調べることである.ARCRを施行した40名41肩を対象とした.年齢は平均61歳であった.全例,スーチャーアンカーを用いたARCRを行った.術後経過観察期間は平均14.2ヵ月であった.術直後の手指のしびれを18肩(20%)に認めた.最終経過観察時までに,CRPS様症状を10肩,手根管症候群を1肩,ばね指を2肩,および肘部管症候群を1肩に認めた.その他の合併症として,肩拘縮を13肩,再断裂を2肩,術中アンカー脱転を2肩,ノットインピンジメントを1肩,非手術側の上肢脱力・しびれを1肩,および円形脱毛症を4肩に認めた.術直後に手指しびれを認めた18肩のうち,最終経過観察時までに,CRPS様症状(28%),ばね指(17%),手根管症候群(11%),および肘部管症候群(6%)と診断された.本研究の結果から,術直後の手指しびれが,最終的に上記疾患と診断される可能性が示唆された.

収録刊行物

  • 肩関節

    肩関節 38 (3), 912-915, 2014

    日本肩関節学会

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