胸腔鏡下肺切除術にて治癒切除と組織学的確証が得られた思春期発症の肺子宮内膜症の1例

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  • A case of pulmonary endometriosis in adolescence undergoing curative resection with histological confirmation by video-assisted lung resection

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抄録

症例は17歳女性.主訴は喀血.子宮内膜掻把術の既往があり,この6ヵ月後より月経の時期のみに喀血を繰り返し来院.CT上右肺下葉S9主体の浸潤影をみとめ,気管支鏡検査でも右B9末梢からの出血が疑われ,同部の肺子宮内膜症が疑われた.偽閉経療法で喀血は軽快したが,今後の学業復帰や就業,ホルモン剤離脱希望の為,病巣の切除による根治を目的に手術を施行した.右下葉背側周囲に褐色調の胸膜変化,軽度の炎症性癒着をみとめたが,鏡視下に下葉切除し得た.病理組織の詳細な検索で,子宮内膜腺および内膜間質を認めた.免疫組織化学検査では,内膜腺にER・PgR陽性,内膜間質にCD10・ER・PgR陽性を示した.術後経過は良好であった.術後3年現在喀血を認めていない.肺子宮内膜症は胸膜子宮内膜症の1/6と少なく,さらに組織学的に証明しえた希少な1例を経験した.また,本症における鏡視下手術の役割は大きいと考えられた.

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