経過中に画像所見の変化を認めた膵粘液性嚢胞腺癌の一例

書誌事項

タイトル別名
  • A case of mucinous cystoadenocarcinoma with unpredictable changes

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抄録

症例は40歳代女性.他院にて膵炎症状を契機に膵尾部に嚢胞性病変を指摘され,当院に紹介された.CT,MRI,EUSにて膵粘液性嚢胞腫瘍(MCN)が疑われ精査予定となっていたが,その後来院せず約10ヶ月後に再診された.このとき,腫瘍は壁在結節の増大がCT,MRIで認められたが嚢胞径は縮小傾向であった.EUSで腫瘍内部は低エコーと高エコーが混在する充実性腫瘍を示唆する所見を呈し,経静脈性超音波造影剤ソナゾイド®を用いた造影超音波内視鏡検査をさらに施行したところ,バブルの混入により壁在結節と思われる腫瘍成分とその他の壊死成分や粘液成分とを明確に区別し評価することができた.膵体尾部切除術を施行し膵粘液性嚢胞腺癌と最終診断した.本症例は経時的な壁在結節の増大を認めたものの嚢胞径は縮小したという興味深い変化を示した.

収録刊行物

  • 膵臓

    膵臓 29 (5), 845-851, 2014

    一般社団法人 日本膵臓学会

被引用文献 (2)*注記

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参考文献 (5)*注記

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