Stage I・II筋層浸潤舌扁平上皮癌における後発転移と予後:210例の検討

書誌事項

タイトル別名
  • Subsequent cervical lymph node metastasis and prognosis in stage I-II squamous cell carcinoma with muscular invasion of the oral tongue: an analysis of 210 cases

この論文をさがす

抄録

本研究は後発転移と予後の予知因子として筋層浸潤の深さと角化を評価するのを目的とした。1987~2009年に癌研病院頭頸科で舌部切単独治療を受けたStage I・II舌扁平上皮癌の210例を解析した。筋層浸潤の深さは5mm以上,5mm未満とした。筋層浸潤最深部に注目し角化を癌真珠が顕著な癌真珠形成型62例,癌真珠は顕著でないが高度~中等度の角化がある不全角化型98例,角化が弱い~なしの非角化型50例に評価した。筋層浸潤5mm以上では,転移率は癌真珠形成型が69%(20/29),不全角化型が73%(22/30),非角化型が89%(8/9)であった。よって,筋層浸潤5mm以上は後発転移の強力な予知因子であろう。この210例のうち患側頸部郭清を受け追加治療のない76例の予後を解析した。癌真珠形成型で筋層浸潤5mm未満は8例全例が予後良好であった。5mm以上の46%(7/15)が頸部再発死,7%(1/15)が遠隔転移死であった。不全角化型と非角化型は,筋層浸潤3mm未満で予後不良の83%(5/6)と100%(2/2)が頸部再発死,3mm以上で予後不良の64%(7/11)と57%(4/7)が遠隔転移死であった。よって,筋層浸潤と角化は後発転移の予後に関係していた。

収録刊行物

  • 頭頸部癌

    頭頸部癌 40 (3), 338-343, 2014

    日本頭頸部癌学会

被引用文献 (2)*注記

もっと見る

参考文献 (1)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ