巨大な大胸筋皮弁採取部の創閉鎖に有茎腹直筋皮弁が有効であった1例

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  • A case of a pedicled rectus abdominis musculocutaneous flap that was effective in donor closure of a large pectoralis major musculocutaneous flap

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抄録

頭頸部の巨大欠損の再建では,豊富な組織量を有する遊離腹直筋皮弁などがよい適応となる。遊離皮弁を使用できない状況では,有茎の大胸筋皮弁が再建に最も有用な皮弁であるが,広範囲に採取するとドナー部の閉鎖が困難となり,特に肋軟骨の露出が問題となる。<br>今回我々は,このような頭頸部の巨大欠損に対して当初遊離腹直筋皮弁による再建を予定していたが,術中にレシピエント血管の障害が判明し,血管吻合が困難と判断した1例を経験した。今回の症例では急遽有茎の大胸筋皮弁を用いることにより欠損の再建を行った。一方,広範な皮弁採取により大胸筋皮弁のドナーの縫縮が困難となった為,露出した肋軟骨の被覆に途中まで既に挙上していた腹直筋皮弁を上方茎で用いた。<br>本症例のように,巨大な大胸筋皮弁採取部の創閉鎖に既に途中まで挙上した腹直筋皮弁を用いる方法は一つの有効な手段と考えられる。

収録刊行物

  • 頭頸部癌

    頭頸部癌 40 (3), 380-384, 2014

    日本頭頸部癌学会

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