<b>反復性発熱に抑肝散が奏効した一例</b>

• 五野 由佳理

  北里大学医学部総合診療医学 北里大学東洋医学総合研究所

• 堀田 広満

  北里大学東洋医学総合研究所

• 奥富 俊之

  北里大学医学部麻酔科学

• 及川 哲郎

  北里大学東洋医学総合研究所

• 花輪 壽彦

  北里大学東洋医学総合研究所

書誌事項

タイトル別名

• <b>A Case of Recurrent Fever Successfully Treated with Yokukansan</b>
• 臨床報告 反復性発熱に抑肝散が奏効した一例
• リンショウ ホウコク ハンプクセイ ハツネツ ニ ヨクカンサン ガ ソウコウ シタ イチレイ
• A Case of Recurrent Fever Successfully Treated with Yokukansan

抄録

14歳女児。乳幼児期より扁桃炎疑いにて入退院を繰り返し，月1回の頻度で1週間ほど続く反復性発熱が出現するようになった。学童期になると頸部リンパ節腫脹を伴う反復性発熱が頻発するようになったが，血液検査上は軽度炎症反応を認めるのみであった。不明熱と診断され，解熱剤が頻用されていた周期性発熱症候群の症例と考えられた。漢方医学的には，腹診および背診より肝経の緊張と捉え抑肝散エキスを処方したところ奏効し，約3ヵ月後より発熱を認めなくなった。過去の不明熱に対する処方のほとんどは柴胡剤や補剤であり，古典には抑肝散も不明熱に用いられると記載されているものの実際の臨床報告はない。今回，抑肝散が発熱の契機となるストレスに関与したか，免疫系のサイトカインの調節に何らかの作用を及ぼしたのではないかと推測される。

収録刊行物

• 日本東洋医学雑誌

  日本東洋医学雑誌 65 (3), 191-196, 2014

  一般社団法人 日本東洋医学会

キーワード

• 反復性発熱
• 不明熱
• 周期性発熱症候群
• 抑肝散

詳細情報

• CRID: 1390001204912264832
• NII論文ID: 130004706172
• NII書誌ID: AN00015774
• DOI: 10.3937/kampomed.65.191
• ISSN: 1882756X
• ISSN: 02874857
• NDL書誌ID: 025764305
• Web Site: https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R000000004-I025764305
• Web Site: https://search.jamas.or.jp/link/ui/2014339405
• 本文言語コード: ja
• データソース種別:
  • JaLC
  • NDL
  • Crossref
  • CiNii Articles
• 抄録ライセンスフラグ: 使用不可