中心静脈カテーテル確保時に椎骨動脈を誤穿刺した2症例

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タイトル別名
  • Two cases of mispuncture of the vertebral artery during placement of a central venous catheter

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抄録

内頸静脈からの中心静脈カテーテル確保時に,椎骨動脈の誤穿刺を起こした2症例を経験したので報告する。症例1は,腸管出血性大腸菌O-111による溶血性尿毒症症候群を発症した2歳女児。椎骨動脈を経由し左心室へ留置された透析用カテーテルをX線,CTで確認した。その後,動静脈瘻の合併を認め,経皮的塞栓術を必要とした。症例2は,大動脈パッチ拡大術を施行した大動脈弁上狭窄の14歳男児。麻酔導入時に挿入した中心静脈カテーテルの左心室への迷入をX線検査で確認した。人工心肺下で手術は施行し,術後カテーテルを抜去したが動静脈瘻形成は生じなかった。椎骨動脈誤穿刺は重大な合併症を起こす可能性がある。椎骨動脈誤穿刺を防ぐため,超音波ガイド下で内頸静脈背側の椎骨動脈を同定し,後壁貫通を避けた穿刺が必要である。また医療安全を保つために,教育法の改善による穿刺技術の向上が望まれる。

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