麻痺性イレウスが関与したと思われた臭化ジスチグミンによるコリン作動性クリーゼの一例

  • 櫻井 聖大
    国立病院機構熊本医療センター救命救急・集中治療部
  • 山田 周
    国立病院機構熊本医療センター救命救急・集中治療部
  • 北田 真己
    国立病院機構熊本医療センター救命救急・集中治療部
  • 橋本 聡
    国立病院機構熊本医療センター救命救急・集中治療部
  • 橋本 章子
    国立病院機構熊本医療センター救命救急・集中治療部
  • 木村 文彦
    国立病院機構熊本医療センター救命救急・集中治療部
  • 原田 正公
    国立病院機構熊本医療センター救命救急・集中治療部
  • 高橋 毅
    国立病院機構熊本医療センター救命救急・集中治療部

書誌事項

タイトル別名
  • A case of cholinergic crisis caused by distigmine bromide administered for paralytic ileus

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抄録

臭化ジスチグミン(ウブレチド®,鳥居薬品)は排尿困難に使用されるコリンエステラーゼ阻害薬である。重篤な副作用としてコリン作動性クリーゼを起こすことが報告され,その使用量は制限されるようになった。ただ,その後もコリン作動性クリーゼの報告は散見される。我々は,重症肺炎とそれに伴う麻痺性イレウスからショックに至った症例を経験した。当初は敗血症性ショックを疑ったが,臭化ジスチグミンを内服していたことと,コリンエステラーゼ活性の著明な低下を伴っていたことから,コリン作動性クリーゼによるショックが考えられた。臭化ジスチグミンはその大半が便中に排泄されることから,麻痺性イレウスのように消化管蠕動が低下している場合には血中濃度が上昇し,コリン作動性クリーゼを起こす可能性があり注意が必要と思われた。

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