術前化学療法を施行した乳腺基質産生癌の1例

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Matrix-producing Carcinoma of the Breast Treated with Neoadjuvant Chemotherapy
  • 症例 術前化学療法を施行した乳腺基質産生癌の1例
  • ショウレイ ジュツゼン カガク リョウホウ オ シコウ シタ ニュウセンキシツ サンセイガン ノ 1レイ

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抄録

症例は75歳,女性.左乳房のしこりを自覚し近医穿刺吸引細胞診にて悪性の診断で当科紹介.左C領域に最大径30mm大の腫瘤,C'領域に最大径10mm大の腫瘤を触知し,C領域には皮膚所見あり.C領域腫瘤に対し針生検を施行し,浸潤癌,ER0%,PgR0%,HER2-と診断された.遠隔転移・腋窩リンパ節転移を疑う所見なく,トリプルネガティブ乳癌にて術前化学療法の方針とした.術前にDocetaxel療法,FEC100療法を各々4コースずつ施行した.臨床的治療効果はC領域腫瘤・C'領域腫瘤ともにPRで,左乳房切除およびセンチネルリンパ節生検術を施行した.病理組織学的にC領域腫瘤は乳管内成分の残存を認めるのみで治療効果grade3と判定,C'領域腫瘤は基質産生癌と診断され,治療効果grade0であった.比較的まれな組織型である乳腺基質産生癌に術前化学療法を施行した症例を経験したので報告する.

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