医学生に対するシミュレータを用いた感染対策教育の評価

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タイトル別名
  • Evaluation of Infection Control Education for Medical Students Using Simulations
  • イガクセイ ニ タイスル シミュレータ オ モチイタ カンセン タイサク キョウイク ノ ヒョウカ

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抄録

  医学生に対する臨床実習の重要度は,教育の国際的評価に耐えうる為にも更に増しているが,感染対策教育における臨床実習についての検討は少ない.本研究の目的は医学生に対するシミュレータを用いた感染対策の教育について評価することである.手術部での実習前後における標準予防策と洗浄・消毒・滅菌の知識を評価するため,医学生94名を対象にアンケートを実施した.実習前は,学生の91%が標準予防策について聞いたことはあるが,68%が「意味をあまり知らない」と答えた.実習後は,学生の97%が標準予防策を理解できたと答え,「実践できそうか」との質問に対して95%が「そう思う」と答えた.実習後は実習前に比較して,洗浄の意義についての知識が定着し,知っている滅菌法および消毒法の数が有意に増加した.標準予防策が客観的臨床能力試験の学習目標に記載されていないので,追加を検討すべきだと考えられた.標準予防策を理解させる為のシミュレータを用いた教育の効果が示唆された.また,洗浄・消毒・滅菌についての教育効果が示された.標準予防策は,内容が多岐にわたり,臨床現場における実践の困難性が示されているので,その継続的な教育が必要である.<br>

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