外傷性上腸間膜動静脈損傷の1例

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タイトル別名
  • A case of traumatic injury of the superior mesenteric arteriovenous circulation

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抄録

症例は19歳の女性で,腹部鈍的外傷により腹腔内出血を来し緊急手術施行した。脾臓損傷,上腸間膜動静脈の出血を認めた。脾臓を摘出し,上腸間膜動静脈領域の出血部位は結紮およびガーゼによる圧迫止血によるダメージコントール手術を施行し閉腹した。ICUで循環動態改善後に血管造影検査を行ったところ,上腸間膜動脈は中結腸動脈分岐部より遠位で完全断裂しており,空腸第1枝は造影されなかった。腹部造影CTで空腸の造影不良部位を認めたため,初回手術より48時間後にセカンドルック手術を行った。トライツ靭帯から10cmより空腸の虚血壊死を認めた。壊死部の空腸を約120cm切除し小腸を機能的端々吻合した。術後,膵臓浮腫による十二指腸の通過障害を一過性に認めたが,約3週間の保存加療により通過障害は改善し,第35病日に退院した。術後にみられた体重減少および慢性下痢は2年で改善がみられた。

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参考文献 (17)*注記

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