下顎高度顎堤吸収に伴いオトガイ孔および下顎管 の裂開部の出現を認める上下総義歯症例

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  • A case of upper and lower complete dentures with recognized appearance of mental foramen and divulsion part of mandibular canal associated with severe mandibular ridge resorption

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抄録

下顎高度顎堤吸収の無歯顎患者に対しtwo implant overdenture にて対応することがMacGill コンセンサス以後増加している.特に日本補綴歯科学会が定めた症型分類のLevel lII,IV に相当する患者に対してはtwo implant overdenture が適応になると思われる.しかし,インプラントのみに支持・維持を求めるような義歯形態では予後が 不良になることが予想される.また,超高齢社会においては全身疾患等によりインプラントを選択できない患者も少なくないと考えられる.そのような症例に対しては,インプラントに頼らない義歯形態の習得が必須となり,従来通りの総義歯にて対応せざるを得ない.今回,下顎高度顎堤吸収に伴いオトガイ孔が顎堤頂上に露出し,さらに下顎管の裂開部の出現を認める患者に対し,顎堤粘膜全体を支持域として取り込こんだ治療用義歯を用い,義歯の支持,維持,筋平衡,咬合平衡を獲得して機能的咀嚼系を再構築することにより良好な結果が得られた上下総義歯症例を報告する.【顎咬合誌33(3):222-230,2013

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