書誌事項
- タイトル別名
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- The present state of fatty liver
抄録
生活様式の変化と診断技術の進歩に伴い脂肪肝は増加・重症化の傾向を示している. 成人病検診によると脂肪肝の頻度は10-20%程度と考えられる. その成因として, 肥満型, アルコール性, 糖尿病性脂肪肝が大部分である. 脂肪肝の原因として, 主な因子として肥満度, アルコール摂取, 年齢があるが, 肥満度が最も脂肪肝と関連している. 性別では男性が女性に比べて4-5倍と高率である. 原因として, 近年, 男性は肥満傾向にあるが, 女性は50歳代までは痩身傾向にあること, アルコール摂取量のちがいが大きい. 年齢別では, 男性は30歳代から, 女性は50歳代から急激に増加する. 食事と運動療法による過体重の是正が脂肪肝の著明な改善をもたらすが, 肝機能成績が正常化しても組織学的には脂肪肝が残っている症例もあり, 食事・運動療法の継続が必要である. 脂肪肝自体は, アルコールやウイルスの関与がない限り肝硬変へ進展することはほとんどない. しかし, 「脂肪肝は他の成人病との合併や発生の第一シグナル」であることを認識し, 放置せず積極的な生活習性の変容に目を向けるべきである.
収録刊行物
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- 順天堂医学
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順天堂医学 43 (3), 369-376, 1997
順天堂医学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680722323712
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- NII論文ID
- 130004711517
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- ISSN
- 21882134
- 00226769
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- Crossref
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可