シェーグレン症候群における中国の診断基準の検討

  • 許 志泉
    順天堂大学医学部内科学教室膠原病内科学講座
  • 戸叶 嘉明
    順天堂大学医学部内科学教室膠原病内科学講座
  • 松平 蘭
    順天堂大学医学部内科学教室膠原病内科学講座
  • 金井 美紀
    順天堂大学医学部内科学教室膠原病内科学講座
  • 竹内 健
    順天堂大学医学部内科学教室膠原病内科学講座
  • 高崎 芳成
    順天堂大学医学部内科学教室膠原病内科学講座
  • 橋本 博史
    順天堂大学医学部内科学教室膠原病内科学講座

書誌事項

タイトル別名
  • Study on chinese diagnostic criteria for Sjögren's syndrome
  • シェーグレン症候群における中国の診断基準の検討 : 感度と特異度について他の診断基準との比較
  • シェーグレン ショウコウグン ニ オケル チュウゴク ノ シンダン キジュン ノ ケントウ : カンド ト トクイド ニ ツイテ タ ノ シンダン キジュン ト ノ ヒカク
  • --Comparison of sensitivity and specificity with otherdiagnostic criteria-
  • --感度と特異度について他の診断基準との比較--

この論文をさがす

抄録

目的と方法: シェーグレン症候群 (Sjögren's Syndrome: SS) における診断基準はまだ国際的に統一されていない. 現在各国に広く使われているDaniels-Talal基準 (D-T基準) ・ヨーロッパ基準・日本基準 (厚生省改訂基準) と中国診断基準 (中国基準) の4基準の2基準以上を満たす96例をSS症例とし, 1基準以下を満たす19例をコントロール症例として, 各基準の感度と特異度を検討したうえ, 抗SS-A/B抗体の観点から中国基準の妥当性を検討した. 結果: 原発性SSの検討では, 感度は日本基準100%・中国基準98.3%・ヨーロッパ基準98.3%・D-T基準78.9%で, D-T基準は有意に低かった. コントロールの検討では, 特異度は日本基準100%・D-T基準100%・中国基準94.7%・ヨーロッパ基準89.5%であった. 中国基準を満たす原発性SSはコントロールと比べ, シャーマー試験・ローズベンガル試験・蛍光色素試験・口唇唾液腺生検・ガムテスト・リウマトイド因子 (RF), 高γ-グロブリン血症・腎機能障害・白血球減少・貧血が有意に多かった. 抗SS-A抗体・抗SS-B抗体のいずれも陰性例に比べ, いずれか陽性例のRF, 高γ-グロブリン血症がより多く, 尿異常・腎機能障害がより少ないことを認めた. この結果をもとにして, 抗SS-A/B抗体および涙腺と唾液腺に関連する検査を含めて中国基準の改訂試案を作成し, 感度と特異度を検討したところ, いずれも100%を示した. 結論: 中国基準は日本基準に次いで感度と特異度が優れていたが, 特異性の高い項目を組み合わせることにより, より少ない項目数で高い感度と特異度を有する基準に改訂することができた.

収録刊行物

被引用文献 (1)*注記

もっと見る

参考文献 (13)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ