髄膜播種を契機に下垂体機能の障害に伴う低ナトリウム血症を発症し,可逆性の意識障害を呈した1例

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  • A case of reversible disturbance of consciousness following leptomeningeal metastases

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抄録

【緒言】終末期がん患者における低Na血症はしばしば認められ,意識障害を引き起こし予後不良因子の1つとされる.今回われわれは,髄膜播種を契機に下垂体前葉機能の障害に伴う低ナトリウム(以下,Na)血症を発症し,可逆性意識障害を呈した1例を経験したので報告する.【症例】77歳,女性.当院で肺がん術後再発に対して化学療法を導入されたが,副作用のため積極的治療は中止となった.転医後,急激な意識障害のため当院へ再入院した.精査の結果,髄膜播種に伴う下垂体機能の障害から低Na血症をきたしたと考えた.NaCl補充やホルモン補充による低Na血症の改善とともに意識障害も回復した.【考察】終末期がん患者においても,可逆性原因による意識障害の場合は,積極的な治療により有意義な時間を過ごすことができる.【結論】担がん患者において高度な低Na血症を認めた場合,脳転移や髄膜播種に伴う下垂体前葉機能低下の障害も考慮する必要がある.

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参考文献 (13)*注記

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